エロを描いて気になるのがどの程度儲けることができて、どの程度なら成功なのかという点だと思う。気になるのでデジタル販売についてちょっと調べてみた。
(今週の一枚)ついに封印が破れた…(pixiv)
先週、久々にエロ同人をリリースすることができた。ありがたいことに1週間で合計100DLしていただいたようで、とてもうれしかった(^ω^)
…ただ、すごい売れている人は1週間で1000DLとか3000DLとかすごい数が売れている。とっても羨ましい。自分はほぼ無名なのでまぁこんなもんかとも思うが、客観的に売れてないのか売れているのかいまいちはっきりわからない。そこで今回は販売サイトからエロ同人CG集の数字を調べてみて考えてみた。
数字の集め方について
エッチな絵を描けばお金儲けができる!!!というのはすごく夢がある。では、その夢をかなえられるのはどのくらいの人がいて、どの程度頑張ればいいのかと言うのはよくわからない。そこで販売サイトから公開されている数を統計的に抽出してみて調べてみる。
デジタル販売サイトは赤いサイトと青いサイト(一応検索除けで名前は伏せる)が2大エロ同人販売サイトとして知られており、物販ではいくつもの中堅サイトが続く。
デジタル同人では赤・青サイトがほとんどの販売数を占めているため、その2社の動向を知ればある程度の傾向が見えると思う。また、この2社同士の全体販売数を比べると3~4倍程度(年度によって違う)赤社の方が多いので、最王手の赤を見るだけでも、おおよその傾向が見れると思うが、客層が赤と青では異なるので、両者の数字を見ることにした。
全部見るのは不可能なので、累計でトップ100を拾って調べることと、全体像に関しては販売から1か月以上のものを無作為抽出(n=500ずつ)を行って大体の傾向を追ってみる。
全体像を見る
とりあえずエロ同人CG集の売り上げ傾向を見てみる。
数字やグラフを出すよりも、上のようにポンチ絵にしてみた。感覚的に理解できると思うが、8割、つまりほとんどの作品は売れていない。10DL以下のものも全体の2割程度を占め、多くの敗者の中で王様が決まっていることが分かる。また、100DLを超える20%の作品の中にも境界…売り上げ限界線みたいなものがあって全体としては二つの山があった。ただ結構荒いデータなので、100DLと1000DL超えるかどうかがチャレンジラインになる程度に見ておけばいいと思う。
つまり、100DL超えたら一応成功(全体の上位20%、中央値もこの辺)で、1000DL超えたらかなりの成功(全体の上位5%)であると考えていいと思う。
例数1000(=500×2)では近似曲線引いてもr^2値(確からしさ)はあまり高くなかった。特に全体販売数が赤と青で大きく違うのに同数抽出して平均しているので、傾向は歪んでいる。ということで、まぁこんなもんかなぁ程度の精度と考えてほしい。
売り上げの販売傾向としては徐々に赤社が青社のパイを取っており、総体として年ごとに販売数の推移は変化する。これはおそらくエロ同人CG集自体の販売数の問題ではなく、購入層そのものの変化が大きいと思われる。作り手自体がゲームに流れていたり、各サイトのボリュームゾーンが高齢化して金払いが悪くなり、新しい層を別個に発掘しているためかもしれない。
トップ100を見る
トップ100はまさに成功者である。赤・青サイトで見ても10000DLと言うのは上の表で見てもわかる通り1000人に一人の大当たりと言っていい。
ではその成功者の作品は数字的にどうなのかをざっと見る。
累計数から抜粋して、トップ10、30、100の平均値をとってみた。
ここからわかることは
- ほぼすべての作品で3年以上サイトに掲載され、何らかの形で売れ続けており、青社はその年数が長い、つまり、新規の作品が売れにくくなっているという点
- 定価・売り上げとも赤社が高く、卸値(実際の作者にわたるお金)の差が8倍以上離れている可能性がある点
- トップ100程度になると、指数関数的な差が順位と販売数にあるのではなく、時間を置けば徐々に売り上げを積むことができる点
ではないかと思う。
単純に数字を見ただけだの評価だと上のようになるが、青社の場合、一定のジャンルに強かったり、根強いファンがいるので、一概に青社が作り手にとって不利とは決めつけられない。
また、卸値に関してはトップの多くが恒常的に値引きをしているため、(定価×DL数)をそのまま売上金として考えることはできない。特に売り上げ数を伸ばすために95%offなんかを乱発しているところもあるので、順位ほどもうかっていない印象を得た作品があった。また、サークルで3人の企画や同じところがいくつもランクインしていることがあるので、純粋な1作品当たりの個人利益はだいぶ低くなるのかもしれない。しかし、一発当てれば最大5000万と言うのは夢のある話ではないだろうかと思った。
ランキングと選別
サイトを見ていると気づくが、とても絵の上手の作品や話の面白い作品が売れるとは限らない。フェチズムを刺激されるとか、新奇性があるから売れるというのはもちろんであるが、そういった良さを抑えて平凡な出来のものもたくさん売れている。
これはサイト内部のランキングのシステム的なものが大きく関係しているのではないかと思う。ランキングの選別としては
- その日の一番売れたもの
- その週の一番売れたもの
- その月にかなり売れたもの
- その年に売れたもの
と言うくくりで行われていて、何らかの方法で1日でも生き残ればそれなりの優遇がサイト側から受けられるようである。例えば、その日一番売れれば上位のバナーに飾られ、その週に一番売れればピックアップで宣伝してもらい、その月に売れたものになれば特別枠の紹介がされ、その年に売れたものであれば外部への宣伝に利用されることになる。
つまり、スターシステムになっていて、きらりと光ればシステム上何もしないでもある程度の売り上げの継続性は確保できるようだ。おそらく、先ほどの「全体像を見る」で言う1か月で1000DL以上自力でどうにかできればそのラインに乗る可能性があるのではないだろうか。
このラインに乗ると、さらに純粋に作品性(絵の上手さや話の面白さ)が読者に判断されて大きく売り上げに差が出るのかもしれない。
機会と売り方
では、その1000DLと言う具体的な目標に対して、作り手はどのようなアプローチをしているかを観察すると、結構みんな色んなことをしていた。
- 物販や日ごろの広報活動をすることで、知名度を上げる
- 外部の紹介サイトなどへ依頼をして販売数をそろえさせる
- タダ券(割引券)を配って一時的に売り上げを伸ばし初日ランキングを狙う
- オリジナルを称して2次創作を売る
- 広告費を払ってアドセント経由で宣伝する
- セールを行って利益度外視で売上数を伸ばす
- 作品の質よりも継続性を優先して作品を作成する
などが合法(?)的な方法で、他にも結構グレーなことをしているパターンも見つけた。
こういうのを見ると、実際の儲けに対してかなりの時間や費用を作品の作成以外にも使っているので、個人の作成と言うより集団で法人として活動しているサークルが増え、ここ3年で企業化がかなり進んだなぁと思った。
ここで分かることは、競合サークルが他から客を入れているので、単純にエロCGをポンとサイトにおいて、「さぁ買ってください」と言っても100DLを得られるのは10%以下の確率になる。なんらかの宣伝方法を自分から考えないと上の様な法人に販売機会をごっそり持っていかれてしまうことになる。
どうすればいいか
いやぁ困った(;´Д`)
自分としてはオリジナルでやっとこさ1年で1作300DL程度で喜んでいるのに、ガチで仕掛けている連中がいると頭を抑えられてこれ以上売れない。それは悔しい。ではどうすればいいかと言うといくつか方法もある。
一つは表紙をクッソエロくすること。トップ100をみてわかったんだけど、とにかく表紙にとても凝っているものが多い。中身を見るとそうでもないものほどその傾向があって、わかりやすくエロく具体的なものが好まれることが分かる。そういう意味では自分の作品群の表紙は絵画性が強すぎてエロくない(クソオナニー表紙)。だから、もっとエロくしよう。極端な話中身なんてなくていいからエロしくしておけば売れると思う。
もう一つは外部に対するアプローチであると思う。結局のところ、どこかに巣を作って日ごろから何らかの情報発信をしたり、エロい絵を見せて客寄せをしないとランキングに乗らない。ランキングに乗らないと相乗効果で売れない。つまり、販売計画を立ててファンを誘導する形を取らないと先がないことが分かる。
おまけでもう一つ。やっぱり宣伝にはある程度の金をかけないといけないことだと思う。去年試しにやってみてわかったが、自分のやり方(広告→ホームページ→販売サイト)だと大体5000円分の商品があると、売り上げ的にプラスになることが分かった。広告にもいろいろあると思うが、アイテムとして最低でも5つ(5本×1000円)あれば商売として成り立つという実感を得た。今のところ、広告に耐えうる3つのアイテムを持っている状態なので、数をそろえて宣伝すれば継続的な売り上げになると思う。逆にそれ以下のアイテム数だと広告は厳しい。
終わりに
ちょっと調べると具体的な方策は浮かぶ。だけど、遊びの範疇ではなかなかドンと時間を取って動けない。楽しむか儲けるか…う~ん悩ましい。
まぁ宝くじ的にぱっと公開してババンと売れるのが一番かっこいいからボチボチ頑張ろう(^ω^)
☆エロ同人CG販売中