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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

広がり、背景とキャラ

広がりのある絵っていうのはどんな絵だろうと考えると、イマイチはっきりした作り方がわかない。どうしたらいいのかちょっと考えていることをまとめてみる。

 

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(今週の一枚)家族でお買い物(pixiv

 

 同じピクセル数、同じ大きさのキャンバスに絵を描いていても、とても狭いものから、広々とした感覚を受けるものまで様々な視野の作品がある。

 自分はキャラと背景の組み合わせで絵を描こうとするものが多いけど、どう組み合わせたら両方を引き立たせ、広い視野の絵を作れるのかと悩む時がある。

 なかなかうまくいかないんだけれど、ちょっと考えていることをメモ書き的に残してみようと思う。

 

 

 風景画とキャラ

 風景画でよくあるのがキャラを風景の一部として使い、その距離感を広く見せている方法だと思う。 

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(背景とキャラの大きさ:1背景、2~4大きさを変えたキャラ)

 

 上の組み絵はちょっと遠くを見通すような絵とそこにキャラ(棒人間)を配置したものである。

 描く人、見る人によってその配置の良さは変化すると思うけれど、やはり広さ、大きさを求めるなら2が最もわかりやすいものになると思う。

 この絵では水平線が遠くにあり、大きな空と大きな大地があるので、必然的にそこにいる生き物は小さく描かれ、3や4のキャラ配置だとむしろその大きさの阻害要因になってしまい絵としてチグハグなだまし絵のように映る。

 もちろん、大きさに対してキャラの位置やアイラインなど技術的な誤りがあるが、そういったものを解決したとしても、絵として何を言いたいのかと言う点で「広い空と大地」がテーマとしたら、おのずとキャラの大きさが限定されてゆく。

 

 さて、風景画的な背景では当たり前のことを言った後で、やっぱり少し大きめのキャラを入れたいなぁと思うと、どうすればいいのだろうか…

 一つは目線の近くを意識して、限りなく大きなキャラの頭を描くことであるし、もう一つは全く別のパース(消失点)を同じ絵の中に作ってそこにキャラを描いてしまうことではないかと思う。

 もうちょっと言えば、2枚の背景を重ねることで、広さを見せ、手前でキャラで物語を作ってしまえばいいのではないかということになる。

 こういった背景合成は上手な人がやるとハッとするような美しい景色になるんだけれど、背景2枚以上は手間だし、インパクトのあるものはやっぱり1つの背景にうまくすべてが収まったいるのではないかと思う。まぁ奥行きに困ったら使えるようにすればいいのではないのだろうか。

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(2枚の背景の合成:奥のロケットと手前の自転車でキャラの大きさが違う)

 

キャラ絵と遠近感

 キャラ絵と言えば、背景はほとんど描かないものが多い。アニメ・漫画の2次創作を見るとサブに力を注ぐよりもいかに髪の毛を描くか、いかに瞳を輝かせるかに時間をかけるほうが大切だと思う。

 しかし、キャラを引き立たせるためには何らかのオプションであったり、キャラのイメージに合った場所は必要になってくる。

 そういったキャラ絵では当然キャラクターが画面いっぱいに広がっている場合が多いので、その分、背景は制約され、自分の求める広さはほとんど無理である。方法としてはより広いキャンバスを設定して、並び立つように背景とキャラを描き切ることであるが、それもなかなか難しい。

 美しいキャラを引き立たせることを大前提にしているので、むしろ遠近感は無視され、キャラのアイテムとして並べるのが今の流行りのようなので、キャラの邪魔になるようであれば隠した方がいいというのが本音だろう。

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(キャラに背景と距離:左 図書館、中央 キャラと図書館、右 キャラと余白)

 

上の絵のようにキャラ絵として考えると右のように余白を使って敢えて背景を限定することで絵としての広さを見せたほうがいいのかもしれない。

 

奥行きと平面の利用

 消失点を決め、パースペクティグを考え、空間的にきっちりと奥行きを作りこむことは写実性を求める場合、背景に必須の技能になる。

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(パースペクティクティブと背景:パースに沿って描くと奥行きが作れる)

 

 ただ、これに沿ってキャラの大きさを作ると肝心のキャラクターを入れる場合、キャラクターにも遠近感を持ったポーズやバランスを要求されるので、しっかり遠近感を意識し作るほどその組み合わせをしっかりはめ込まないと、違和感が大きくなってしまう。

 そこで、遠近感の絵ある背景に対して、平面的にキャラを配置することで疑似的に手前の絵と奥行きを作ってしまえば、手間なく安易な配置と距離感の維持ができるんじゃないかと思う。

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(距離感のある背景と平面的に配置されたキャラ)

 

 上の絵ではたくさんキャラがいるけど、同じ距離にたくさんのキャラがいてあたかも広い空間で動いているように見えるが、キャラのみを見るとその奥行きはとても狭い。

 本来であれば、手前や奥にキャラやオブジェを置いてバランスさせた方がいいけれど、ある平面にのみキャラを集めることで、物語と奥行きのある背景から絵の広さを見せることができるのではないかと思う。

 

バランスさせる

 程よい大きさのキャラと程よい奥行きの背景があれば広がりのある絵を描くことが出きるのだろうが、それはなかなか難しい。

 背景にしても奥行きを意識する場合、奥の方から少しずつ広げて描く方が楽だし、キャラも別で作ったほうがポーズやレイヤー管理も楽なので、自分の場合、どうしても最後の合成に齟齬が生まれる。

 それでも、広さを考える場合、無理なくキャラと背景の大きさと奥行きがバランスしたほうが見ていて落ち着く作風になる。

 これは絵全体のイメージも含めて経験と感性を磨くしか方法はないので、道は長い。

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(日本家屋とキャラ:ある程度バランスした配置と奥行きが整い、広さが作れる)

 

 そういったバランスを意図する場合、一番作りやすいのは部屋ごとに空間を切ることができる日本家屋や望遠の碁盤のような街並みなど、計画的に作られた構造物だと思う。

 作るのは面倒だけど、初めから構造がある程度決定され、その領域に限定される街や家屋はその縛りがある分、広さを作りやすくなるのは意外な発見だった。

 

終わりに

 技術が拙かったり、計画性がないまま描き始めているので、なんだかんだうまくいかないことが多い(;´Д`)

 才能があればいいんだろうけど、ないものはしょうがないのでそれっぽく作る方法を少しずつ見つけていく・・・そんな遊びは今日も続く(^ω^)

 

 

 

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