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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

色で距離を考える

キャラだけだと印象が薄いので、それっぽい背景をつけたりする場合、奥行きがあると重厚感のあるものに見せることができるけど、作るのは大変。今回はそれを色でどうにかできないか考えてみた。

 

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(今週の一枚) いざ行かん! (pixiv

 

 自分の絵を見かえすとちょっと狭苦しいなぁと思う時がある。単純にキャンバスに対してキャラが大きかったり、そもそも遠近感がおかしかったりと、いくらPhotoshop先生に頑張ってもらっても、元の性能がお察しレベルなのでこんな風になってしまうのだろう。

 しかし、広がりのある絵ってどういう風に作るんだろう?これさえ分かればもっとおしゃれな今風のナウでヤングな作品が作れるのでは…なんて思っているが、なかなか作れない。それで、今回は色を工夫してどうにかしようと考えた。

 

 

色について

色を利用するにあたり、色・光の基本を思い出してみる。

 赤橙黄緑青藍紫よく言う虹の七色、目で見ることができる光の色のバリエーションであるが、左から右にいくにつれて波長は短くなり、強度を増す。つまり、白い光を発する光源があった場合、赤い方が遠くまで届く光で、青の光はより光源の近くで見えると言ってしまっていいと思う。

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 だから、単純に考えれば遠くは青色に、近くは赤色に塗ってしまえば遠近感は出るような気もするが、そう簡単なものでもないらしい。ただ、光の性質としてこういったものがあり、色の傾向はこうなっていると頭に入れてそこから配色を組み立てたりすると楽になるのかもしれない。

 

距離と色

さて、実際にそんな色を加えてたら距離感が見えてすごいものが作れるか?と試しに、一本の木に赤、緑、紫を薄く加えて(新規レイヤー、塗りつぶしで透明度15%を加えた)その様子を見てみると・・・

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・・・ご覧のように効果がないように見られる。残念

 

 光の性質に沿って色を付けたのになんでだろうと、ちょっと悩んだのだが、はっきりしているのは葉っぱの色は色々あって単純に色を変えただけでは距離の認識にならず、ちょっと色の違う色の木が並んでいるといった感じになるようだ。

 

 では、木の大きさを変えてみるとどうであろうか?

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左からそれぞれ80%の大きさにして、上段が色を付けたもの、下段がそのままにした。

 自分としては上も色を変えたほうが遠近感があるように感じる。おそらくぱっと見で色が変わっているだけでなく、色と共に別の情報があることで距離感が強調されるんじゃないかと思う。

 そのため、こういった虹色のグラディエーションをかけてイメージを作る方法は距離を表す記号を多めに配置したものの方が有効に機能すると思う。

 

背景の反射に沈む色

 上のは単純に白い色を発する光源を自分が持っていたとした場合になるが、普通白い光なんて持っていないし、世界には物があふれていて光を反射しあっている。

 そのため、光源から距離が離れるほど、その光の影響は少なくなり、近くにあるオブジェクトの反射の影響を強く受けることになる。緑の葉は緑の光を反射して、近くのものは少し緑色になるのである。

 では、その強く影響を受ける遠く離れた場所の「色」とは何色だろうかと考えると、一概には言えない。空であれば青色かもしれないし、森であれば緑色かもしれない。ただ、「遠く」と漠然言いうと、灰色がその答えだと思う。これは遠くに行けば行くほど様々な反射の影響を受けて色が混じる。様々な色が混じると黒になるが、どこかに明かりがあると考えれば必ず白を加える必要があり、灰色に落ち着くと思う。

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 上の図では稜線がいくつもある山並みに灰色レイヤーを加えた。 ①最も近く透過20% ②50% ③70% にした。

 薄暗い感じでもある程度の距離感を見ることができるのではないだろうか?

 ただ、この灰色はあくまで主観で付け足したものだし、より強い背景色のイメージがあればそれを使えばいいと思う。例えば、さんさんとした夏の空の青さがあるとすれば、その空の色を距離を使えば、色による距離の強調ができるんじゃないかと思う。

 

恒常的な色

 光自体の移動距離と反射による各オブジェクトの影響を考えたが、そんな小さいことを無視して強い光が画面全体に輝く時が多々ある。

 一番有名で分かりやすいのは太陽光だろう。

 太陽光は太陽からやってくる光である(当たり前か)。地球と太陽の距離はだいたい1億5000万kmといわれている。超遠くからきているので、100kmや1000km程度は誤差と考えてもよい。だから、すべての領域において等しい輝きを与えてくれる。

 全体に同じ量の白い光をオーバーレイレイヤーを作ってあててしまえば、そのオブジェクトが固有で持っている色が強調されて輝いているように見えるし、サチレーションするくらい強い光であれば、さらにその上から白色を塗ってしまえばいい。

 ただ、これは距離を無視する光なので多用すると画面全体が当然ぺらッとしてしまうし、白色というのは果たして色といっていいのかちょっと疑問だったりする(白色光は色々な色の光線を混ぜたもの)。

 

 いずれにせよ、距離感を部分的に壊すことで、その周辺の色や距離感をより強く意識することができるので、これ単独というよりも、完成したものにもう一工夫する時に仕えるのではないだろうか?

 

終わりに

というわけで、距離によって変わる色、距離によって濃さを変える同じ色、距離を無視する色という3パターンを考えて最近背景を書こうとしている。

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先週描いたものだが、この三つを混ぜて作っている。よく見るとへっぽこな感じでも、色を調整すればそれっぽく見えるんじゃないだろうか?

 

 この考えが果たして正しいのか、綺麗になるのか、やってみないと分からないが、ちょっとした参考(いい意味でも悪い意味でも)になるんじゃないかと思う。

 

1年後くらいに見直して、にっこり出来たら嬉しい。

 

 

 

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