先日、pixivの作品閲覧画面が大幅に変更された。PCでしか利用しないのだが、気づかないうちにドンッ!と変わってその瞬間はビックリした。だいぶ落ち着いてきたので、その感想と調べてみたpixivについての印象を書いてみる。
(今週の一枚)だり~けどちょっとは光明が… (pixiv)
2018年の4月から順次個別作品閲覧画面のGUIが変更された。ニッペルフはPC起動時に紐づけして、暫時一応ログインしている体は取っているが、基本的に1日5分くらい、週末に30分くらいしか使わないので、この変更に気づいたときはビックリした。
ただ、ビックリするだけではまぬけなので、変更の確認と評価ついての雑感と一応の改善案を書いてみる。
※目次※
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何が変更されたか
ヘビーユーザーは敏感に気付いているかもしれないが、pixivサイトのサービスは去年あたりから頻繁に変更がなされている。作品コメント欄のスレッド化、通知の簡素化、創作アイデア(今日のお題の導入)など2か月に1回くらいの割合で、基本となるシステムを変えずに追加やメンテナンスを通じて機能を更新してきている。
今回はこのような「あった方が便利だなぁ」という改変ではなく、pixivのコアとなる絵を見るという画面そのものを弄ってきた。思い返してみると確かに古臭いGUI(Graphical User Interface)であったし、デザインを売りにしているサイトとしてはこんな芋くさいイメージはさっさと変更するべきだったかもしれないが、実際やられてみると驚く。
実際の変更(分かった部分)
(左図から右図にかけてページをスクロールする感じ)
1、画像データを前面に出す
2、右サイドバーの追加
3、タイトル、テキストコメントの圧縮
4、コメント欄のスリム化
5、関連作品のシームレス化とブックマークの簡素化
ではないかと思う。
変更のコンセプトとしては「もっと絵を見やすくしよう」という意思を全面に押し出したことだろう。たくさんの作品の閲覧をより見える化すると同時に、文字を少なくして簡素化することによって、より視覚的な印象を閲覧者に与えて、楽に絵を見せようとする意図が感じられる。
良かった点
・作品が少し綺麗に見える
背景全面を白ベースにして、全体的に文字を少なくして、絵を見やすくすることでぱっと見の作品としての印象がとてもよくなったと思う。以前のごちゃごちゃといらない情報がある状態よりも、大きく余白を取って、その中に絵が飾ってあるととても焦点を絞りやすい。
・情報の簡素化
作品を投稿するユーザーのほとんどは文字、テキストをほとんど利用していないことからわかるように、主となる画像データを優先して、従となるそれ以外の情報をできるだけ省くことで、何らかの先入観を持たずにこういった作品群を見ることができるのはとても良いイメージだし本来の「絵を見る・見せるサイト」としての価値を高める効果が強いと感じた。
・他の絵も見やすくなる
また、閲覧者が「その作品のみ」に興味を持ち、同一作者の別作品をあまり見ない、バウンスレートの問題についてもサイドバーを作ることで、その解消への意図が見えるので一応100点以上投稿してみるニッペルフとしてはとてもありがたい。
さらに、下部へスクロールすると「関連作品」項目において、様々な投稿者が作った作品が出てきて、SNSらしい「関連性」がぱっと見でできるので、ちょっとした新しい発見ができるようになっているのは面白いと思う。
・一体感
こういった作りはかなりスマートフォンの視点を意識したデザインになっていると感じるが、PC側からアクセスした場合でもそういったサイトの統一感が保たれているのは、いい変更じゃないかと感じた。
悪かった点
・チカチカする
pixivのイメージからはロゴからも空色だと分かる。このイメージを捨てて、作品閲覧は現状白がベースになっており、お洒落になったが、全体の白の割合が増え、目に刺さる。
ぱっと見のインパクトはとても強く、作品の状態を綺麗に見せる効果はとても高いと思うが、長時間の閲覧、つまりたくさん作品を見る人にはきついんじゃないだろうか?
サイトコンセプトが他のSNSでリンクを踏んでくる人に他の作品も見ようと誘導するような作りをしているのに、これだとそれ以外に行くまでに疲れてしまうような気がする。
もう少し空色に背景を寄せたり、少し暗めの色に落としたりして、「pixivの滞在時間」を延ばすようにしてもいいと思う。
・情報が簡素化しすぎて見にくい
これは情報掲示の表裏一体なのだが、自分は簡素化しすぎているなぁと感じた。pixivはテキストサイト改変から出発なので、どうしてもこういった変更は目立つのだが、テキスト縮小で良くないと感じた点は大きく2点ある。
1点目は作品タイトルの位置で、やっぱりこれに関しては作品の下部ではなく、上部に置くべきだと思う。イメージを閲覧者に丸投げして、そのあと、投稿者の意図を伝えるのは一つの技法だと思うが、やっぱり投稿者がどうして描いたの?という簡単な説明となるタイトルはまず最初にあるべきではないかと思う。
2点目は全ての文字が全体的に読みにくくなったという点である。白い背景の中心にカラー作品がある場合、その周囲にある黒字はとても読みにくい。枠をはがしてイメージは綺麗になったが、文字を邪魔ものにし過ぎているように見える。文字の色の適正化やある程度のコメント枠の作成は必要だと思う。
なんでこんなことを思ったかというと、一応pixivは交流サイト、つまりSNSだからである。コメント欄で評価・批評したり、タグをつけあったりと、たとえ画像が主であっても、文字でのコンタクトをないがしろにしすぎると、やり取りがしにくくなる気がする。この延長線上に、ボタンポチポチだけになってコミュニティを作れず、薄く切れやすい関係性を作るような気がする。
・関連性のない作品群の羅列
「関連作品」のシームレス化はとてもいいアイデアだと思ったが、肝心の関連作品が関連していない問題がそのままになっている。
おそらくこの関連性のソートは作品タグから行っているのだろうが、これが上手くできていないと感じた。タグを10個登録できるが、個別タグで作品登録数に偏りがあると、多いものだけが表示されるようになっているためだと思う。
例えば、「女の子」と「カッパ」とタグ登録すると、「女の子」登録作品が圧倒的に多いので、関連作品が「女の子」で溢れてしまい、本来投稿者が意図したカッパな女の子というイメージを関連付けられていない。
この辺のタグごとの加重を変えないとせっかくのシームレス化は全くの無意味になる可能性があると思った。
広告を消す×
これは変更にあまり関係ないが書く。
右サイドバーには広告欄があり、その下の「広告を消す×」というボタンがある。これを押すとプレミアムへの登録誘導になるのだが、これはひどいといつも思う。
広告を出す立場になってみよう。バナーを作ってこちらのサイトにきて商品を買ってくださいと、お金を出して広告を打つ。さて、実際pixivを見てみると「お前のクソ広告を消す方法」なんてのがすぐ下に出ているのである。はっきり言って広告を出す気がなくなる。
せめて、「ここに広告出しませんか?」とか「あなたの作品をアピールしよう」とかユーザーにお金を出して自分を発表するようにポジティブなイメージを出せばいいのに、「消す」というネガティブな感覚がプレミアムユーザーと繋がっている。コレはよくない。
大変失礼だと思うが、これにOKを出した奴は馬鹿じゃないの?と、いつも思う。
改善案
ダメだ~とぶつくさ言っていてもダサいので、簡単に一案を出してみる。
(作品閲覧ページの若干の変更図)
1、先ほど書いたようにやっぱりタイトルは一番上が見やすいし、作品の意図が伝わると思う。
2、テキストコメント欄、コメントはもう少し見やすくした方がいいので、灰色の半透明枠で囲ってみた。文字としては見やすいのではないだろうか?
3、広告欄を思い切ってプレミアムアカウントの作品用か有料作品宣伝欄にした。バナー広告がどれくらい踏まれるか知らないが、こっちの方が儲かるような気がする。たくさん作品を並べるとメインを圧迫するので、メイン作品と関連するものを3、4つランダムに並べてやればいいと思う。
4、「自分の作品を広告しませんか?」…ちょっと直接的すぎるが、これくらい書かないと伝わらない。プレミアムへの誘導はもっと価値を出すべきである。文言はとにかく金を払えば「いいことがある」というようにすべきだと思う。「消す」とか「壊す」とかネガティブイメージは避けたい。
終わりに
GUI変更について絞って書いた。他にも日々変更がされているが、自分としては今回の改変も含めてトータルで「good」だと思う。少しずつ変わって使いよくなってほしいなぁと思った。シンプルにデザインが良くなった一方で、機能性を見るともっさりしているので、その辺は思い切ったアイコン化でもいいし、もう少し弄る部分に色を付けてもいいと思った。
また、どういうシステムデザインがいいかと考える延長線で、pixivのプレミアムがあまり価値を持たないことが分かった。
金を払うと苦痛から解放されます的な脅し文句ではなく、お金を払うと閲覧数が伸びて自尊心が満たされますみたいな幸せシステム(?)みたいなものがこのサイトには足りないような気がした。
世代によってネットに使う金額は違うし、傾向は日々変化していると思うが、なぜ我々が絵を投稿しているかを考えれば答えは見えてるんじゃないかと思う。
まだ、ニコニコのように客は逃げないし、もっと儲ける方法はある。だから、折角いいものができつつあるので内輪もめしてないで、もっと頑張って欲しい。
おしまい
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