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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

集合知と情報集積戦略の価値 その1

 インターネットの情報からいろいろ判断しようとすると、結構な割合で間違える。
 全くのウソ、デマ情報に踊らされて右往左往しているわけではないが、間違いに気づいたときはいたたまれないというか恥ずかしい気分になる。
 いくら自分自身が気を付けていたとしても、噂程度で済ませていた情報に対して、それがほぼ事実であるように信じてしまう人がいて、実生活でも迷惑するようなことにもしばしば出くわす。
 また、この雑多なデータ群に目を付けた、NHKでのネット情報を集めて色々やった試みもほとんど無価値なゴミデータ集積所になっている。

 大きいものでは地震のデマであったり、小さいものでは○○の商品がとても美味しいみたいなウソまで多種多様なトラップが転がっている。こういった不確かな情報が広がっているネット空間内だけで知識の共有や集積で思考の向上はあり得るのだろうか?

 

ぼんやりと考えてみた。

 

長いので分けました。その1ではネット情報の現状について その2ではその情報処理の可能性について考えてみました。

【オリジナル】「つまみ食い」イラスト/ニッペルフ [pixiv]

↑情報の手に入れて逃げ切れることはできるのか?

 

 

 


・日本のネット空間の情報の現状

 

 データの転送量、実装のトラフィックを眺めていると、かつて日本だけが異常にテキストデータが多いといわれていた。2chのテキスト型掲示板の発達であるとか、定型文を含むメールでのやり取り、SNSの交流などシステム、機器更新の時代を超えて日本語での多様で表現豊かなやり取りがパソコン通信時代から脈々と続いて来た文化の発露だろう。
この傾向は巨大な画像、映像情報が容易に情報としてロードできる環境が整ってきて、その量は割合を減らしている。
 それでも、英語、中国語、アラビア語などのメイン言語テキストと比較すると圧倒的にそのデータ量は大きい。これは1億数千万人しかいない日本語話者に対して、その他の言語にそれぞれ10億人以上いることからも、日本人がネット環境下で他国の人達よりも何十倍も話続けていることになり、我々がいかに仮想に多弁であるかを物語っている。

 

 さて、この日本語の海を眺めてみて、いったいどんな情報のやり取りをしているかと眺めてみると、ほとんどが「思い」であることがわかる。お腹がすいた。眠い。好き嫌い。などという感情の便所のような状態になっていて、実際に役に立つ「情報」であるとか、仮説や考察を基にした「思考」なんていうものには意外と出くわさない。
 SNSを眺めてみても、投稿した当人にとっても無意味なつぶやきを並べるだけで、情報として残す意味が明らかにないものばかりである。
 中には日記を書くことで、自分の現状を見つめてそれを役立てる。つまり、ネットの情報を現実にフィートバックしている方やほとんどの人にとって価値がないが、ある特定の集団にとって非常に有用な情報のストックをコツコツと作っている方もおり、この辺はなかなか侮れないなぁなんて尊敬する場合もあるが、多くの場合が何となくネットの中でブツブツ言っている状態であろう。

 


・日本語テキスト情報の強度

 

 では、この独り言を上手く除いたとして、日本語の使える情報はどの程度存在するのかを見てみると、残念ながらしっかりした強度のあるものはほとんどない。
 政治、経済であればテレビやラジオの評論家の情報の焼き増しや誇張ばかりだし、多くの場合感情をあおるだけで価値がない。
 海外情報であれば中国、韓国の煽りデマ情報やアメリカへの変な羨望記事ばかりで、その他の国についての情報量は極端に少なく、実際に専門家にアポを取って聞くと全く逆の場合も多々ある。
 科学の論文であっても、研究者自体が英語論文を価値基準としているので、そのストックも海外となり、統合的なまとめ情報がKAKEN程度にしかない。

 これは無料の情報は表面的なもので、お金を払ったり会員制のサイトに行けばちゃんとしたものがあるよね・・・みたいなことを聞いて、ある程度の金額を積んで、いくらかそういったものを集めたことがあるが、金額の大小を問わず全方位でほとんどの場合がカス情報やブラフだったりして役に立たなかった。
 本当に役立つものや、金儲けにつながるものが全くと言っていいほど存在せず、むしろこういったカス情報を虚飾することで、情報に価値があるようにしているものがいかに多いかに驚いた。

 

 では、実際に日本語で縁取られたネット空間の中で、「全体にとって正しい情報」がないのか?というと、そういうわけではない。
 政治経済関係では、総務省経済産業省ExcelやPDFファイルをチクチク読んでいると、あぁなるほどと感じる情報がごそっとあふれている。
 金融では日銀のページには過去何十年にも及ぶ生データがひっそりと展示してある。
 文科省のKAKENでも、いくつかの省庁が出す海外との統計情報でもその正確さと無感情さに圧倒される。
 ただ、これはある程度の意図をもって見なければ理解できず、ある程度の時間と労力を必要とするような分かりにくさがあるので、使いにくいことは確かなんだろう。

 

 つまり、日本語でも情報はある。しかし、正確なものはほとんどお役所発で多面性がない。専門家もたくさんいる。しかし、大切な情報はあまり開示・拡散されず、その他の無価値情報に流されているというのが現状だろうと思う。

 

その2)に続く

 

 

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