きれいでカラフルな絵を描こうとしてもなかなかうまくいかない。輝度やコントラストを考えるというよりも、そのものの持つ色をうまく組み合わせて華やかな感じに持っていければいいのだが、塗ってみるとビカビカになったり、似通った色の組み合わせになることがあったりして微妙な感じになる。
できる前と後でだいぶ違っているのはいつものことだが、せっかく作ってもいまいちの出来になるのはアレなので、自分なりの解決策を考えてみた。
【オリジナル】「親方に怒られてブー垂れる」イラスト/ニッペルフ [pixiv]
↑一応カラフルになったかな?
色見本をいろいろ見ていると確かにとても自然でバランスのいいものが並んでいる。よし!そのままパクッてしまおうと思って実際の線画に色を乗せてみると、ひどく地味なものであったりわかりにくいものになってしまった。
つまり、カラーバリエーションを絞って利用したとしても、その組み合わせがうまくないのでまったく同じ結果になってしまった。
・自分なりのルールをとりあえず作ってみた。
正直に言って、真似をしてもうまくいかないのは困った。3色くらいなら見え方に大きな差があるものを選択して配色できるがその数が増えると、その途端に変化の乏しい、見てくれの悪いものになってしまう。
どうしようかなぁと試していて、悩んでいてもしょうがないので、一応のルールを作って色を塗ることにした。
まず、赤 橙 黄 緑 青 藍 紫 の虹色ベルトを頭の中に描いて、これを左右で判断基準とする。
1、ベースとなる色を左側にして、キャラや目立たせたいものをより右側の色にする。
2、同一オブジェクトについて極端に離れた色を使わない。
3、距離を感じるものには右側の色を使う。
という感じで、決定した範囲で色を選択していく。
例えば、キャラクターの服を作ると赤と紫のようにベルトの距離が離れているものを使わずにほどほどの距離のあるものを選択する。
1色目緑色であれば、2色目は黄色もしくは橙色近辺の色を選択する。
一方で同じキャラクターやオブジェクトでも強調したい部分や別のもの(花と葉のように機能が全く違うような)であれば、意図的にこの距離を離す。
植物であれば、1色目の葉の緑色がほぼベルトの中心にあるので、機能の違う花はいろいろと使えるし、オブジェクトごとに違いを出すときは花の色の距離を離す。
そして、ベースとなる色(この場合は背景)にはなるべく左側の色を使う。キャラクターはなるべくその色よりも右側の色を使って目立つようにする。
最後に画面正面から見て、距離のあると感じるものはキャラクターやオブジェクトでも、より右側をなるべく選択する。例えば空は青い(藍?)ので右側という感じである。
白、黒に関しては例外色として、アクセントや困った時に使うことにする。
・なんでこんなルールを考えたか
こんなルールを作ったのは一応理由がある。
光というのは全部まとまると白になるが、光がなければ黒になる。だから強調したい部分や丸みの頂点を白く、逆を黒くすることで絵の強調をすることや立体を意識させることばかり考えていた。だから光というと明るいかくらいかという視点でしか考えが至らなかった。
でも、光を波長ごとに分離すると当然色を持った光線になる。反射による色の変調とか重ね合わせによる変色なんかの難しいことはよくわからないが、とりあえず高校物理程度の基礎知識を考えると、赤 橙 黄 緑 青 藍 紫の7色において、左側は波長は長く振動数が少ない。右はその逆となる。
つまり右に行くほど強度の強いが距離を進むことが不得手な光ということになる。イメージで書くと、赤は柔らかくて細長い紐のようなもの、紫は硬くて短い石ころのような感じである。
眼、網膜にとってのその影響はその振動数に依存するので、左ほど刺激を与えず、右ほど強い刺激となる。これを心理的に考えると、刺激が強すぎる色には一瞬目が行くが、長時間の視線はより優しい左側の色に行くのではないか?と思った。
だから、背景などのベースとなる色は長々とみたり、意識しないように左側の色にして、ちょっと強調するのなら右側の色にすれば、視線誘導できるかなという感じになる。
これを利用して、派手な性格のキャラクターはより右側の色を使ったり、柔らかいメルヘンな絵を描こうと思ったら右側の色を使わないようにして、全体の色を左側に寄せればいいのでは?なんて考えている。
つまり、それぞれの背景やオブジェクトに何となくこの辺の色を使おうというぼんやりとしたイメージをまず作ってしまい、全体像を大まかに調整する。
次に、全体の配色傾向を決定しても、その組み合わせが下手糞だと分かっているので、部分ごとに色を考えることにした。
たくさん色に選択肢があっても、上手く選択できないこととその組み合わせが上手くいかなければどうしようもないから、自分のできる範囲で意識しようということである。
限定した領域と選択幅の狭いカラーリングならなんとかできると考えていたので、それをてこにして組み合わせを工夫しようという想定である。
これは逆にキャラをしっかり配色してしまって、その色傾向から背景を決めていくこと(キャラよりも左側の色を選択する)もできるのかもしれない。
ブツブツと頭の悪そうな感じで作った方法であるが、もちろんもっと有効であったり、正しい方法があるのだろう。でも、自分には今のところこの程度がちょうどいいので、これを起点にして色を塗っていこうかなと思う。
コントラストやカラーリングが抜群にうまく、ぱっと見て印象的であったり、純粋に美しいと思う絵がたくさんある。いいなぁと指をくわえるが、どうもそういった「美術品」を作るセンスがないと分かっている自分としては、屁理屈を考えながら少しでもどうにかしたいと思う。しかし、センスというのはどうにもならないのも事実である。なかなかうまくいかない。
まぁ一歩一歩にじり寄る感じに進めれば・・・いいのかな?
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