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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

劇団北朝鮮 その1(現状認識)

 昨日(2017年9月3日)に水素爆弾の起爆実験をしたことが報道された。先日の日本をまたいだ大陸間弾道弾の発射実験に続き行われた凶行は世界に戦争と核の脅威を知らしめた・・・
 もちろん、核やミサイルを北朝鮮が持っており使用実験をしていることは間違いない事実であるが、その他についてはなんだか意味不明な情報ばかりなような気がする。

 この時事ネタがブレイキングニュースに乗るといつも頭に昇ってくるのはオウム真理教地下鉄サリン事件である。
 軍事関係に全くの素人であるが、素人なりの疑問点と考察をしてみた。

 

【オリジナル】「魔法、勉強中」イラスト/ニッペルフ [pixiv]

↑よく見ると色々隠れている。

 

 

 

・事象を個別に並べる

 

 こういった報道を見ているとほとんど一方的な情報ばかりの繰り返しで、情報源に多様性がない。戦前の大本営発表のようにそれを疑っても正しいと信じるしかなく、その報道を基にコメンテーターや自称専門家がたくさん出てきて憶測をこれでもかと言うので、最終的なアウトプットが必要以上に誇張される。
 そもそも情報元が情報を意図的に制限していた場合、誤った答えにたどり着いてしまうのでちょっと怖いと思う。
 そこでまずそれぞれの物事を分けてみた。

 

1、ミサイル
 北朝鮮のミサイルはノドンやテポドン、火星〇号といった様々な呼び名でその用途や飛行距離を示しており、その燃料も固形のものから液体のもの、つまり全く異なる内燃機関を実装したタイプが存在することが最近確認された。その移動方法も移動式、固定式など世界にあるとされる多種多様な攻撃手段を取り揃えて常に発射態勢を整えているとされている。

 近年、これを実証するかのように打ち上げ実験を繰り返し、その有効性をもって外交的なカードとなっている。
 イギリスの潜水艦型のミサイル発射実験失敗と比較しても、兵器としての技術的価値は非常に高いと考えられる。

 

2、核兵器
 国連常任理事国やインド、イスラエルなど非公式ながら保有が確認されている国も含めて、多くの国家が保有している。
 北朝鮮核兵器の実戦投入について、その小型化と実用性が疑問視されているが、少なくとも核分裂反応を起こす施設は国内にあり、研究段階から実用化に向けた段階に踏み出そうとしていると考えられる。
 アメリカが行う臨界前核実験のような高度な核分裂反応を観察するような科学的な意図は見られず、さりとて以前のような黒鉛減速原子炉のようなエネルギー抽出を目的とした研究でもなく、純粋に兵器としての方向性を強く打ち出した技術であると考えられる。

 

3、北朝鮮国家
 金将軍を頂点とした共産党独裁国家。ロシアの武器供与と中国との資源貿易を中心として国家を維持してきたが、数々の経済政策の失敗により窮乏している。
 外交バランスに優れ、世界各国と違法も含め様々な取引を行ってきたが、現状の貿易品目は労働力としての国民、つまり奴隷の格安レンタルと、石炭を中心とした安い鉱物資源となる。
 国民の生活・教育水準は低く、第2次産業の疲弊と共に、第一次産業への依存が大きくなり、天候で国家の安定性が左右されている。
 また、元首交代のたびに国家官僚と利権者の交代、排除が行われ、主導部の若返りが同時に起こる。この際に、外交部の粛清を行うので、外交関係の変化がよく起こる。

 


・異常なアンバランス

 

 基本的にわかっていることを書いてみた。書いてみてやはり1~3の相関に強い違和感がある。はっきり言って北朝鮮という国はクソ貧乏のカス国家である。1970年代までであれば、まだ中堅工業国と見栄を貼れたかもしれないが、国内の政策の失敗と気候の厳しさもあって、貧困化と教育水準の著しい低下(脱北者を見ると韓国との落差に驚く)により、奴隷貿易を始めているような統制国家である。
 存在理由としても、旧西側国家との前線基地としての価値があったが、ソビエトの崩壊により無価値化してしまった。結局、あってもなくてもどうでもいい「地域」に格下げされて身動きが取れない状態であろう。
 そういった地域が、やれミサイルだ、サイバーテロだといわれても、正直首をかしげるしかない。
 パソコンがないのにインターネットはできないし、車のエンジンが作れなければミサイルのそれも作れないし、洗剤が作れなければ核兵器の実戦配備もできない。
 1、2の技術が急速に進展する一方で、その基礎となる3がごっそり空洞化していて、いくら政府が優秀だったとしても、普通は夢で終わるはずである。
 核なら原子力工学、ミサイルなら応用物理の材料学といった、何かに特化した一分野でのアンバランス化であれば、理解もできる。しかし、2の研究は臨界前のエネルギー抽出から臨界後の爆弾作成へと舵を切り、同じ原子力でも全く異なる分野に変更していて、1に至っては部品も含め完成までにはすそ野が非常に広い技術の集合体であり、それぞれ全くの新規分野である。
 いくつもの分野で同時期にまとめて高度化する様は理論や工業力的に飛躍がありすぎて信じられない。
・・・が、実際に完成品が存在している。ニュースでは「北朝鮮製」といっているが、これはほとんどを国外から輸入しているのではないだろうか?

 

その2(連想と考察)に続く

 

 

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