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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

話の上手い人の秘密

どうも自分は話下手なんだけど、それでもなんとか会話していると口達者な人に出くわして驚く時がある。ネットでもいいコメントやお返事をしたいので彼らがどう話すかを考えてみた。

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(今週の一枚)モテる猫のホワイトデー(pixiv

 

 

話がうまい人は「型」があるのか

 この季節、人の出入りが激しいからか、色々話しこむことが多かった。話をするということは純粋に意思表明をしたり、口を動かすことで不安を解消したり、情報の共有をしたりと様々なことに役立つけれど、実際やって見るとなかなかうまくできない。

 話をしたのに自分の意図がさっぱり伝わらなかったり、言葉が相手を不安にさせてしまったり、誤った情報を相手に伝えてしまうこともある。だから、わざわざ時間を使って相手をしてもらっているのになんだか申し訳ないと感じるし、ずいぶんと無駄なことをしていると反省する時もある。

 

 エレガントな話者はどうやって会話を組み立てているのだろうか。最近、色々な幅の人と少し長めに話す機会があったので、上手に話す人をしばらく観察することができた。すると、各人には大体の方向性をもって会話を成り立たせていることが見えてきた。今回は目立った喋り方を大まかに分けて、口下手な自分でもおしゃべりマスターに近づくヒントにしようと思う。

 

自分の意思をしっかりと届ける人

 演者となってプレゼンする場合はどうしたって物語調になってしまい、そのストーリーで観客を納得させなければならない。パワーポイントの1枚1枚に絵を載せ、それぞれに1分程度の解説を加えてゆき、1時間で話すなら50~60枚程度で自分の見せたい情報を最大限にアピールするものであるが、こういったテレビドラマのような話し方をする人は特に増えたなぁと思う。

 学会であったり、少し大きめな製品のデモなんかに行くと、そういった準備万端なプレゼン大会を見ることができるが、別の機会に個人的に話者に話をしても、その話の組み立て方は変わらないようである。

 この組み立てを簡単に言えば、自分の言いたいことをまず決めてしまい、会話の節ごとに山を作り、自分の意見に沿うように相手を誘導してゆくのである。上手な人になると、こちらの眼を見た瞬間にポジションを作って話をはじめ、こちらが別のポジションだと知ると、すぐさまそれを移動して、とにかく最終的な自分の結論に持っていこうとするのである。

 この起承転結を話に持つ人達といろいろ相談してゆくと、自分のような屁理屈さんでもしっかりと情報が頭に残り、有意義な時間を過ごしたような気分になるが、思い返してみると、果たして彼や彼女と「会話」をしているのか、よりよい答えにたどりつこうとしているのか疑問がでる。

 例えば、お腹がすいたなぁと言うと、相手にはすでに牛丼を食べるという意思があり、こちらが豚丼や親子丼の会話しても、結局牛丼を食べることになるか、相手とは別れて食べることになるのである。

 予備知識や見識がある人がそういった話し方をするのは楽しい小噺を聞けていいのだが、目的の設定を誤るとなんだか頑固な人に変身するので、会話をするのは苦労することがあった。

 

話をしているのに話を聞く人

 他人が横で話をしているのを見て、彼らに後でどの程度満足しているかを聞くと、内容がどうとかいい情報が聴けたか、という話そのものの価値よりも、いかにその場で自分が言葉を発し相手がそれを聴いたかの量の多さが強い充実感につながっている。

 どうも洋の東西を問わず、この自発的な行動に興奮を覚えるというのは人間と言う生き物に備わった本能なんじゃないかと思う。小さい子供がお母さんに今日幼稚園であったことを報告するような感じは大人になってもずっと続くのである。

 

 この自発性を上手く引き出してくれる人はとても「会話」がうまい。一見ワーワーと喋っている人が色々な要件を頭ごなしに叫んだり、情報を下に流すように押し付けているシーンを見ることがあるが、実はそれをうんうんと聞いて、1言2言合いの手の時に意見を入れられる人は会話の最終段階で主導権を握って、自分の意見を通してしまうことが多い。

 ボクシングでカウンターパンチを入れるように折を見て意見を差し込んでゆき、最終的にノックアウトする感じである。

 ただ、こういったアウトボクシングな喋り方をする人との会話では、彼らにその話題に意見がない時になると、こちらがしゃべるばかりになり、こちらの意見がすべて通るのかなぁと思いきや全く聞いていなかったり、もう一度お願いしますなんて悲惨なことになって、まったく会話として成立しない場合も多かった。

 日本人的な相手の話を聞きましょうというのは、話を聞いて「自分の意見を持ちましょう」とはなかなかならない。外人がブチ切れるのはおそらくこの辺なんだと思う。

 いかに彼らに関係する事柄ですよと言うことをこちらが選んで相手を載せないといけないので、日常会話でも労力のかかるお相手となる。

 

知らないことを上手くしゃべる人

  趣味の合う人、なんとなく気の合う人とお話をすると何時間でも喋れてしまう時がある。まるでインド人にでもなったようにお互いぺちゃぺちゃと会話が続く。

 しかし、そんなことは稀で、たとえ親族であれ友達であれ、興味のない話題やよく知らない知識が場に登るとたいていの人は口を閉じてしまい、会話にならない。一番いいのは、たくさんの話題をもってお話をする人に合わせて引き出しを出せればいいが、そううまくいくものでもない。

 ただ、話法…というか話題に寄らずグイグイと発言をする人がいる。大抵、そういった人は表情を作りながら、私はこうだと思うし、私の知るところこうであるなんてことを言う。なんにも知らないのに、難しい議題や踏み外すと危ういテーマについても果敢に自分をアピールして話題を盛り上げてくれる姿を見ると、ちょっと根暗な自分には輝いて見える。

 方法は意外と簡単で、「私は知っています」という態度を取り、相手の単語に合わせてそれらしい文章を言えばいいのである。リンゴを知らなくても、「リンゴは素敵だと思いますが、嫌いな人がいて私はビックリしました。」なんて言えばいい。

 上手い人になると、思わせぶりな話の振り方で会話をリードするし、対面で話していると思わず身を乗り出して話に聞き入ってしまうほどである。飲み会なんかでとても重宝するし、話しているとやっぱり楽しい。

 

 ただ、こういった人は残念ながらちゃんとした場所では役に立たず、むしろ議論を妨げる因子となってしまうことが多かった。

 本物の専門家のいる前で訳知り顔で長々と誤った自説を言われても、専門家は失笑して話が進まないし、場合によっては彼自身を敵視して場が混乱することもあった。

 営業トークには素晴らしいんだけど、意見のすり合わせには使えないなぁと思う。

 

 

話の上手い人の特徴

 目立ったタイプを書いてみたが、基本的にこういった話術を持つ人にはある目的があって、それをかなえるために会話を「術」として使っていることがとても多い…というかほとんどそんな感じだった。

 商品を売る人、詐欺をする人、自己アピールをする人などなど何かをかなえよう、人を納得させようという強い意思の元、こちらの瞳の動きを見て、魔法をかけてくるのである。

 一方、そういった意図がなく話す人(たぶんほとんどの人)はぼんやりとその言葉を聴いて興奮したり幸せの気分になって彼らの情報を受け取るのであるが、そこには「会話」であるとか、「議論」のような気持ちや情報の受け渡しがほとんどないなぁと観察して感じた。

 言い方は悪いが、こういった話術を持つ人たちはこちらと対話、感情や情報の共有を目的とせず、話術を持たない人に要求を認めさせたいのだろう。

 つまり、話の上手い人は「会話」をしない。

 

会話のエッセンス

 さて、そんなスーパーおしゃべりマン達のテクニックを真似できないし、出来ても忘れるので、彼らに共通する最低限必要なエッセンスを挙げてみる。

 

1、教えたい情報を絞る

2、共感させ、共感する

3、相手に喋らせる間を作る

 

少なくとも上手い人はこの3点は守っているみたいだ。

 1について言うと、長く話したとしても、伝えたい内容をすべて伝えることは難しい。…というか、我々は会話の内容をどうもほとんど忘れてしまうようである。だから、絶対に覚えてほしいことを会話の中で限定しなくてはならない。

 例えば、「リンゴが好き」なら、ミカン畑の話やお刺身の話をしてもいいが、とにかく「リンゴが好き」と繰り返して伝えるのである。

 

 2について言うと、我々は嫌いな人の話は聞かない。どんなに正しいことであったり、利益になる情報であっても、自分を罵倒する人の言葉は弱い。だから、たとえ会話の相手と敵対していても、その会話の中では相手の発言を認めて、いいところをいいと言わなくてはならない。

 話が盛り上がるとどうしても感情的になるが、その興奮に相手が乗らないと、その会話が失敗となり、独演会や言い合いになる。相手の意見を認めてその間に自分の意思を混ぜ込むことで会話とする。

 

 3について言うと、長々とした話だろうと、ちょっとしたあいさつであろうと、とにかく相手に何か発言をさせるのである。ネガティブな話題であっても、つまらない内容であっても、相手が何らかの意見を言い、行動を起こすと自然と会話が成り立つようだ。逆に、相手に聴く準備を作ってあげないと、内容に価値があってもその言葉は相手の頭に届かないようである。

 

 

終わりに

 自分的にはちょっと発見の1か月であったが、文字にすると長ったらしく、当たり前な文章になった。

 

 でも、当たり前なことっぽいけど意外とみんな意識しないんじゃないかなぁ( ^ω^)・・・

 

 

 

 

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