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1週間に1記事を目標にして、考えたことや描いた絵について書いてます。

信長の野望 新作発売に思う その1

 2017年の11月末に戦略ゲームの信長の野望シリーズの最新作が発売されるようだ。自分とこのシリーズとの付き合いは長く、スーバーファミコン武将風雲録を購入してから一貫して新作を楽しんできた。
 長い付き合いなので、ある意味惰性で購入してきた面もあるが、前作の戦国立志伝をついに買うのをやめてしまった。

 

 さて今作はどうするか?また買うほうがいいのか?
 ただ、ぼんやり宣伝を見て購入判断するのもつまらないので、シリーズの販売側の販売戦略とゲーム性を考えてみようと思う。

 

【オリジナル】「秋眠暁を覚えてまた寝る」イラスト/ニッペルフ [pixiv]

↑夢幻の如くなり?

 

 


 シリーズのゲームの要素、ゲーム性、ターゲット層とその変化、販売戦略の変化、そして今作の評価をしてみようと思います。

その1ではシリーズのゲームの要素とゲーム性について書きました。また、その2では ターゲット層とその変化、販売戦略の変化、今作の評価について書きました。


・ゲームの要素

 このゲームシリーズは各作品ごとに押し出すポイントを少しずつ変えている。また、パドラゲーのような純粋な戦略ゲームではなく、独特の特徴を持っている。
その中でも、基本的なゲーム要素は確立されていて、
①.戦略ゲームとしての日本征服
②、多くの武将とそれぞれ簡単なエピソード
③.Simcity的な箱庭内政
④、アクション要素を伴う合戦
⑤、武具や茶器のコレクション
じゃないかと思う。

 ①はゲームの基幹で、京都を支配して、半数以上の城を支配下に置いてゲームクリアーを目指す。作品ごとで城の習得には少しずつ違いがあるが、とにかく城、国盗りを目指す戦国大名感を体験できる。
 その過程で、②のように武将を集めたり、軍隊を養ったり、他国からの襲撃を防ぐため城を強化するために③を行う。また、実際の武将として④の合戦を行ったり、当時の流行アイテムを⑤のように敵から奪ったり、商人から買ったりする。
 

 まさに、「戦国」体験ゲームとなる。
 

 もちろんこれはゲームであるので、現実の16世紀の世界観とはかなり違い、いわば妄想の戦国世界を自分勝手に楽しむことになる。いわば、異世界転生的な要素満載な戦略ゲームであるとも言える。

 

 

・ゲーム性

 この要素を基にゲームを行うのだが、各作品ごとにその遊び方、攻略法は当然異なってくる。じっくり戦力を整えて侵略を行ったり、安定しない初期に他国の有能武将を大量に引き抜いたり、補給部隊を使って敵国内を混乱させたりもできる。
 回を追うごとに戦略性は高まっているし、PC、ゲーム機の高度化と共にグラフィックの向上や新しいテーマを入れてそれなりに飽きないようなゲーム作りとなっている。おそらくゲーム開始数時間は全てのプレーヤーが試行錯誤を楽しみ、自分なりの国造りや国盗りの醍醐味を味わえるように設計されている。
 ただ、その数時間後、ある程度国が安定したり、方法が確立すると、途端にそれをただ繰り返す作業ゲームになってしまう。弱小から中規模勢力になると、同じことを営々と繰り返すので、中だるみしてゲーム性が極端になくなる。
 つまり、要素の②③⑤をそれなりに楽しんだ後、本来目標である①に乗り出すと途端につまらなくなるのである。
 これを解消するために、主に2つの強化がシリーズでは行われるようになる。
 ひとつは、敵AI つまり、他国の大名のチート化である。ちょっとでも兵隊の数や食料が不足すると、全方位から攻撃されたり、敵同士の関係が突如として有効になってプレーヤーに襲い掛かったりする。
 つまり、プレーヤーに様々な内政や外交や情報収集を強いているのに、プレーヤー以外にはフリーハンドを与えて難しくしようとしている。
 まぁ、これで本当に難しくなってしまえばいいのだが、単純に敵側が同じ責め方をするので、穴を見つけてしまえばただその穴をつつくようなことを繰り返していればクリアできるので、この時点で戦略性は崩壊してしまう。つまり、敵の弱点を見つけるまでがゲームとなり、それ以降は何の面白みもなくなる。
 もう一つは、パワーアップキット(以下、PK)という別売りの拡張ソフトの販売である。もっとこのゲームを楽しみたいなら、もうちょっとお金チョウダイということである。
 批判はあるが、自分はこの試みは当初なかなか面白い売り方だなぁと好意的に見ていた。これを導入することによって、新要素が追加されて、一定の戦略性が増加したり、
新しいコレクション要素なんかもあり、戦国気分が補強されていい気分になる。
 ただ、AIが強化されたり、ゲームの根っこの部分が変更されることはないので、本質的なゲームとしての強化にならないのはちょっと残念な気分でもあった。
 ・・・と、若干好意的に見ていたこのPK商法であるが、ここ数作に関しては全くその評価は覆る。ここ数作において、ゲームに致命的問題やゲームとして遊べない不完全な要素を持ったまま発売し、それをPKで補完するという方法に変化していて、いわば本体ゲームはベータ版であり、PKとセットで初めてゲームとして遊べるような作りになっている。
 はっきり言ってひどい。自分のように長年付き合いがあれば、またかで済むが、新しく買おうとする人は次回もう買わないとなってしまうので、売り方としても、これからを考えても問題ありの方法であると思う。

 

その2に続く)

 

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