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トランプのマーケティング

 新任されたトランプ アメリカ大統領が次々と新しい試みを行っており、それに対して様々な影響や反応が起こっていると連日ニュースを騒がしている。ただ、CNNなどのちょっと左に傾いた情報を基に組み立てられている日本の報道はかなり偏向しており、特に政治的思想を持たずに見ても???となってしまうものが多々見られる。例えば、NHKのニュースではトランプ氏のTwitterでの発言にアニメの悪役のような声色を当て、彼がまるでTVショーの「悪役」のように扱っている。これは明らかに意図的な偏向であり、他国のしかも支配的大国の代表者に対してケンカを売っているようなことをしている。報道機関の中立性云々以前にこんなことしてあんたら大丈夫?と心配になってしまう。

 

 大統領の行動とそれに対する報道の結果として起こったことは、世界各国での激しいデモンストレーションとアメリカに対する不信感や世界経済の不安定化が引き起こされるのだ!大統領の強権的行動を支持する右翼的な思想も持つ危険な人々と、それに反抗する報道機関やそれを妄信する愚かな人々が対立し、いま世界は危険な状態にある!

↓そのイメージ

【オリジナル】「狙われた獺祭」イラスト/ニッペルフ [pixiv]

 

・・・・と言えてしまえばいいのだが、現実世界では彼の行動と報道に対して良くも悪くもほとんど反応していないというのが現状である。デモで何十万人集まった!と言っても実際通行人含め、何倍も水増ししても足りない状態で現実ある。ネット右翼の人たちが「日本ではこんな悪いパヨクが~」と言っているが、世界中そんなものである。大統領の就任式へも依然と比べ人数は集まっていない。BBSやSNSでF4ワードを連発して狂信的なことを言っても、実際の運動には結びついていない。日本に対して大変なことになる!と報道されても、トランプは日本自体にほとんど発言していないし、どちらかというと無視しているかも?という程度の対応だ。日本側の対応も大統領就任後ちょっと焦ったが、それ以後は彼をなだめるというよりも彼の関心を得ようと動いているように見え、メディアの表現する「襲い掛かるトランプとそれに耐える日本人」という構図とは全く異なる。

 問題になってくることは、なぜ現実の人間がこんなにも無関心なのか?という点ではない。政治への報道に関心はあり無駄話の種にはなるが、心や気持ちは揺れても行動にはならないという点である。おそらく大統領とその側近の上手な煽りがそこにあるんだと思う。彼らは、従来のTV報道機関がすでに人々を突き動かすような力を持たないこと、少数のグループによってコントロールされており視点が硬直化していること、依然として多数の目に触れることができる媒体であることなどの現状を正しく認識したうえで、利用しているものと考える。また予防線を張り、事態をコントロールしながら行動している。例えば、力を持つ黒人議員とその団体を弾劾しながら、それより弱い団体と関係を結んでおり、単純に黒人差別をしているわけではない。白人黒人間の問題ではなく、黒人間の格差をテーマにたたいており、黒人が一体になって大統領を攻撃できないようにしている。こうすることでたとえ跳ねっ返りが動いても、本体が行動できないようにしている節が強い。

 

 ここからは予想になるが、トランプと仲間たちは事前にマーケティングしており、ある程度の目算を立てて商売をしようとしているのではないか。商品は「アメリカ大統領トランプ」。パッケージの中身は

 別グループ間利害闘争ではなく、グループ内紛争を起こし利権をとれる

 投票程度の行動は起こすが、政治には疎い支持層

 強力なコマーシャル力

 世界最強の軍隊

 アメリカの本音

となる。お客は支持者以外のアメリカ人と世界の企業、中小国家となる。すでに購入者が出ており、よってらっしゃいみてらっしゃいということになる。例えばサウジアラビアはついに侵略を行い、イエメンの半分を統治するというような宣言をし、アメリカ軍が強力に支援した。鉄鋼産業に向け国境の壁とパイプラインをアメリカの鉄で作ると約束した。いくつかの団体は盛んにトップが変わろうとしている。この商品を買った人やお試し版を見た人はおおむね好評というところだろう。

 

 さて、この商品を開発した人に注目が行くことはあるが、それを投資してステークホルダーになっている人たちは誰なのだろうか?開発者は大統領選以前にトランプブランドを商品化したマーケッターだろうし、煽りは例のバノングループだろう。彼らは優秀で冷静だろうが、金はない。トランプ氏本人はイギリス首相との共同会見を見てわかる通り、アメリカによくいるお金持ちの静かなおじさんである。もちろんアメリカ人なので、自己主張は強いが一般的と言って差しさわりがない。彼にいろいろレッテルを付けて、まぁ、悪く言えば巨大なプロレス興行の主である。大規模な選挙をするほどの金はない。金融系のエリートや富豪はあくまで出先機関であり、ハゲタカになってアジア通貨危機のようなものをまた起こすかもしれないが、本人には現金がない。ぱっと浮かぶ関係者はみんな金を借りることはできでも実弾を持っていないのが現状である。

 そこで組閣やトランプの関係者や彼の行動を見てみると、いくつか他と異なるものがある。目立つというかわざと配置しているのが、Seema Verma 女氏とElaine Lan Chao女氏とJared Corey Kushner氏が外部からの猟官人事であることはわかる。実働の政治家、軍人、金融、エネルギー関係とは異なるのでわかりやすい。急にねじ込んできたのである。ということは、インド系、台湾系華僑が現物を提供し、与信としてクシュナー氏の実父が支えるという形が予想できる。某インターネット生放送で、偶然映画評論家がインド人投資家とトランプタワーで会っている。彼は「私が一番彼に投資している」と言って去っていった。表に出ないが、この辺がトランプ株の大口保持者なんだろう。

 

 差別反対と言いながら、選挙で勝った者やその支持者を差別する報道やそれに乗っかる人々を見ていると人間の理性の矛盾を感じるし、ペンによる煽りに理性的言葉とはいかに弱いかと思う。日本においても特殊思想や感情的行動をする団体や人間が専従して運動をしており、どこかで連動した流れを感じる。インターネット空間ではそれに対して意見や激しい憎悪や妄想を掻き立てる人たちがいる。また、それを見てテレビは~メディアが~というのは一歩進んだ情報強者になった気分になる。でも、それはあくまですべてパッケージされた一連のショーであって、実際にリモコンを持っているのは「ユダヤ人」や「軍産複合体」や「金融支配者」のようなおどろおどろしい集団ではなく、上記のようなもっと静かな集団や投資家なのかもしれないと思った。